Claude Code で動画制作を AI パイプライン化できた話
「AI ってどこで学べばいいんですか?」 「使うのに、エンジニアとしての素養が必要なんでしょうか?」
最近、副業を考えている人から、こういう質問をされることが増えました。
結論から先に書いてしまうと、エンジニアとしての素養がなくても、AI を活用すれば十分に形にできます。
僕自身、会社員時代のスキルは生産管理だけで、エンジニアとして働いた経験はありません。プログラミングを体系的に習ったわけでもないです。
それでも今、Claude Code を使って、YouTube 動画制作のほぼ全工程を AI で回すパイプラインを構築できています。
この記事では、愛媛の大手メーカーを辞めてから5年以上かけて辿り着いた「AI 時代の動画制作」について、実体験ベースで書いてみます。興味があるところだけでも、読んでもらえたら嬉しいです。
「手を動かす人」ではなかった会社員時代
正直に書くと、会社員時代の僕は、手を動かすのが得意なタイプではありませんでした。
愛媛の本社で生産管理をやっていた頃は、営業が取ってきた案件に必要な部品を集めて納期を管理する仕事で、体を動かすというより、各所を調整する立ち位置でした。
3年目に名古屋に異動してからは、急にメンテナンス業務に配属されて、初めて工具を持たされました。何をすればいいのか分からず、上司も特に教えてくれず、ただ無力感だけが残りました。
「尊敬できない上司や同僚に囲まれて働き続けるのは、僕には無理だな」と感じて、名古屋異動から実質1〜2ヶ月で、僕は会社を辞めました。
5年以上の試行錯誤
退職後は、肩書きを転々としました。
- 田舎フリーランス養成講座で Web ライターに。3ヶ月で月10万まで行ったけれど、PC 前でひたすら調べて書く作業が苦痛で辞めました
- 愛媛県西予市の9席の小さなカフェで店長を1年。3年赤字だった店をトントンまで戻せました
- 沖縄で動画編集を再開。時給換算100円スタート、月10万稼げたら御の字という時期もありました
- 結婚式ムービーのテンプレートをココナラで販売、累計50万円ほど
- 最初のクライアントに約40万円を未払いされて、一度は動画編集自体を辞めました
2024年、多拠点生活をしながら動画編集を続けていた年の売上は、約80万円。
「こんなに頑張って10万円しか稼げないのか」と、何度も思った時期でした。あなたもフリーランスで、似たような時期を過ごしたことはありませんか?
最初の AI 体験は、Copilot で営業提案を作った話
最初に AI に触れたのは、2年前くらいの Microsoft Copilotです。当時はまだ無料で使えた頃です。
教育業の会社から、「特殊な動画編集ソフト」で教育系動画を作ってほしいという相談をもらいました。100万円規模の案件でした。
ただ、そのソフトは、僕には使えません。Premiere Pro しか触ったことがないからです。
普通なら「使えないので無理です」となるところですが、どうしてもこの案件を受けたかった。だから、逆提案をしました。
「ディレクターとして私を採用してください。予算内で私が動画編集者を雇って、現場と編集者の間に入って取りまとめます」
僕は生産管理時代に納期管理を長くやってきたし、企画構成から考えて動画を作っていた経験もある。現場の人と編集者さんが直接やり取りをすると、どうしても齟齬や抜け漏れが発生する。そこに僕が入ることで、リスクを回避できますよ、という提案でした。
この提案書、実はほぼ全部 Copilot に書いてもらったんです。
相手企業のURLを Copilot に貼り付けて、「この企業はどんな動画を求めていそうか」「僕のスキルでどう解決できるか」「メリット・ベネフィットは何か」を整理してもらいました。Canva 用の画像の元案も、Copilot で作りました。
正直に言うと、僕はほとんど何も考えていません。全部 AI が組み立ててくれました。
結果は受注できなかったのですが、相手の反応が、ものすごく良かったんです。
「こんなにやってくれる人は、今までいなかった」と言われました。
その時、「AI って、すごいな」と初めて思いました。今振り返ると、この時の「自分は編集しない、ディレクターとして入る」という発想が、後々の働き方の原型になっていたなと感じます。
「自分の仕事を変える」と確信した、2026年1月
Copilot のあと、ChatGPT にも課金していたのですが、そこまで使いこなせているという感覚はありませんでした。なぜ課金していたのか、自分でもよくわからないくらいです。
転機が来たのは、2026年1月、Cursor を使い始めた時でした。
Cursor は本来 Web エンジニアが使うツールなのですが、僕みたいな非エンジニアでも、普通に触れました。
ナレッジを貯めて、そこから台本を作って、また次に繋げて。ものすごく大量のコンテンツが生まれてきたんです。
この時、「これは自分の仕事を変える」と確信しました。
それからしばらくして、Claude を導入しました。以前から存在は知っていたけれど、他の AI サービスに1年契約で課金していたので、手を出しにくかったんです。
Claude の **200ドルの Max Plan(税込で月3.5万円程度)**を契約してから、一気に動画制作のパイプラインが形になりました。Opus というモデルが IQ も高くて、提案の濃度が本当にすごいんです。使い倒すには Max Plan でちょうどいいくらい、という感覚です。
Claude Code で組み上げた、動画制作パイプラインの全7工程
今、僕の YouTube チャンネル制作は、以下の7工程がほぼ AI で完結します。
- 企画構成
- 台本作成
- 画像生成(Lovart)
- 音声生成(ElevenLabs)
- 動画編集(Remotion、React/TypeScript ベース)
- 動画アップロード(YouTube Data API)
- サムネイル・タイトル生成
Remotion で Premiere Pro 風の音声キーフレーム UI を自作するところまでやりました。
非エンジニアの僕が、React/TypeScript のコードを「書かせて」「動かす」ことで、です。
Claude Code を入れれば、指示すれば動きます。自分でコードをゼロから書けなくても、求める動作を自然言語で説明できれば、実装は AI が補ってくれる。
これって、「コードを書けること」とは全く別のレイヤーの能力だと思いませんか?
「手を動かす」ではなく「オーケストレートする」
ここで、大事な話を1つ書いておきたいんです。
2025年、僕は YouTube の政治切り抜きチャンネルを2つ運用して、年収860万円を達成しました。2024年の80万円から、10倍以上の成長です。
誤解してほしくないのですが、これは AI の力で達成したのではありません。この頃は、まだ AI をほとんど使っていませんでした。
じゃあ、どうやって達成したか。
複数の編集者さんを雇っていました。
最終的に4人の編集者さんが稼働している状態でした。月額のコストは、合計で10〜20万円くらいで推移していました。それまでに、倍以上の人数をクラウドワークスでテスト採用して、良い人だけを残していったんです。
その4人で、僕の個人稼働時間は1日30分しかない時期もありました。ほぼ編集者さんだけで回っていた、というのが実態です。
つまり僕は、「手を動かす人」ではなく、**「設計してオーケストレートする人」**として、成果を出していたんです。
そして2026年になって、この「オーケストレートする対象」が、人間の編集者さんから AI へ変わっただけ。
Claude Code、Lovart、ElevenLabs、Remotion ── これらは僕にとって、新しいチームメンバーです。
今、新しい挑戦を始めています
実は今、もう一つ新しいプロジェクトを始めています。
2025年は、編集者さんのチームで YouTube を回しました。2026年は、AI のチームでブログと Threads を立ち上げて、アフィリエイトにも挑戦してみようとしているところです。
2〜3ヶ月で、最初の成果を出せたらいいなと考えています。
もしあなたが「AI 時代に、自分の仕事はどうなるんだろう」「会社員を続けていていいのかな」と感じているなら、僕の試行錯誤の記録は、どこかで役に立つ瞬間があるかもしれません。
Threads(@be_ytm_2025)で日々の気づきも発信しているので、よければ覗いてみてください。